味噌

日本人の食卓に欠かすことが出来ない、味噌はダイズを主原料とした発酵調味料です。

起源は古代中国の調味料である醤や鼓(し)と考えられています。日本には奈良時代頃に伝来し、平安時代には味噌のもととされる発酵食品「未醤」が販売されていました。


時代が下って室町時代には、代表的な食べ方である味噌汁も登場しました。戦国時代には味噌は主要な兵糧食とされ、調味料としてばかりではなく、むしろタンパク源としての役割が大きかったようです。


江戸時代になると各地方で特有の味噌がつくられるようになりました。


味噌の原料は大豆・こうじ・塩で、水煮あるいは蒸し煮した大豆に、こうじと塩を合わせて発酵させます。

用いるこうじの種類によってそれぞれ米味噌、麦味噌、豆味噌に分けられます。

また味の面から甘味噌(塩分5~6%)、辛味噌(塩分12%前後)、辛味噌などがあり、色では赤味噌白味噌、中間の淡色味噌、そのほか、粒の状態から粒味噌こし味噌などに分類されているなどバラエティーに富んでいます。


各地に西京味噌・仙台味噌・信州味噌・八丁味噌などのように多くの名産品があります。


加工品には数種の味噌をあわせた調合味噌だし入り味噌低塩味噌などがあります。また、おかずにする嘗(なめ)味噌には金山寺きんざんじ)味噌・鉄火味噌・カツオ味噌・タイ味噌・田楽味噌等があります。

麹・原料 味・色 名称・産地 特徴
米みそ 甘みそ
西京みそ・府中みそ(広島)・讃岐みそ 糖分多・塩分少・短期熟成・貯蔵性小・すっきりした甘みがある
  甘みそ
江戸みそ 糖分多・塩分少・短期熟成・貯蔵性小・濃厚な甘み・こうばしい香りがある
  辛みそ
相白みそ 明るい淡黄色・かすかなこうじの香りとさっぱりした甘みがある
  辛みそ
淡色
信州みそ 糖分少・塩分多・鮮やかなやまぶきいろ・長期熟成・貯蔵性大・やわらかい酸味がある
  辛みそ
仙台みそ・越後みそ・佐渡みそ・津軽みそ 糖分少・塩分多・長期熟成・貯蔵性大・旨みと塩味の調和した味
麦みそ 甘みそ 九州・四国・中国地方 糖分多・塩分少・黄白色ないし赤みをおびた褐色・甘みそと旨みが調和した味
  辛みそ 九州・四国・中国・関東地方 糖分少・塩分多・長期熟成・貯蔵性大・濃厚な旨みがある
豆みそ 辛みそ
八丁みそ・さまりみそ 糖分少・塩分多・長期熟成・貯蔵性大・濃厚な旨みと渋みがある