ヨーグルト

ヨーグルトは、乳酸菌を用いて発酵させた代表的な発酵乳です。

 

古くからバルカン半島など東地中海沿岸地方では、重要な食物となっていましたが、E. メチニコフ博士が、バルカン半島に長寿者の多い原因がこの発酵乳の日常的な摂取によるものであるという、いわゆる「不老長寿説」をとなえて以来、欧米諸国で広く作られるようになりました。


日本では厚生省令の規格上はヨーグルトという語は用いられておらず、発酵乳という分類をしています。


ヨーグルト(発酵乳)の成分は無脂乳固形分8.0%以上、乳酸菌数1ml 当り1000万以上、大腸菌群陰性と定められています。

原料としては牛乳、脱脂乳または脱脂粉乳を溶解して無脂乳固形分濃度を高めた脱脂乳が用いられます。


また、製品の種類によって、ゼラチン・寒天などの硬化剤・ショ糖・果実・果汁・エッセンスなどが配合されます。乳酸菌の種類は特に定められてはいませんが、ブルガリア菌・アシドフィラス菌・サーモフィラス菌・ビフィズス菌などが用いられています。

ヨーグルトのおもな種類

  1. ハードヨーグルト
    ハードヨーグルトは、通常脱脂乳を原料とし、ゼラチン、寒天などの硬化剤を加えて製造したプリン状の製品で、ショ糖が約10%加えられているほか、バニラなどエッセンスも用いられる。日本では最も古くから作られている種類で、普通ヨーグルトともいわれています。
  2. プレーンヨーグルト
    牛乳が通常用いられ、硬化剤もショ糖も添加せずに作られます。無糖ヨーグルトともいわれています。
  3. ソフトヨーグルト
    乳酸発酵してからかくはんして凝固物を砕き、半流動状にしたもの。イチゴ、オレンジ、パイナップルなどの果肉を加えたものが多い。プレーンヨーグルトとともに最近消費が増加しています。
  4. ドリンクヨーグルト
    液状で飲用するタイプのヨーグルトです。
  5. フローズンヨーグルト
    乳酸発酵後凍結させたもので、アイスクリーム状の製品です。
    製法は牛乳や脱脂乳などにショ糖、硬化剤などを混合して溶解し、加熱殺菌します。これを乳酸菌が生育しやすい温度まで冷却した後、純粋培養した乳酸菌スターターを加ます。瓶などの容器に充てんしたのち発酵さます。発酵後は直ちに冷蔵して、なるべく早く消費します。
    ヨーグルトは牛乳に由来する良質のタンパク質・カルシウム・ビタミンB2を含み、さらに爽快な酸味があるので、牛乳の風味の嫌いな人にも食べやすくなっています。また乳酸菌の酵素により、タンパク質がある程度分解されているので消化がよくなり、カルシウムは乳酸カルシウムとなって吸収されやすくなっています。ヨーグルトに用いられる乳酸菌の中には人間の腸内で増殖して整腸作用をもつものもあるといわれます。デザートやおやつのほか、ショ糖無添加のものはサラダなど調理にも用いられます。