栄養素

生活環境の変化と栄養バランス

料理イメージファーストフードやファミリーレストランコンビニエンスストアの普及等によって、ここ数十年で日本人の食生活は大きく変化しました。
ここで問題となるのは食生活が変化したことによって、栄養のバランスが崩れてしまったことにあるのです。
現在の日本において肉食の普及・脂質の摂りすぎにともなう生活習慣病が増えていることが問題となっています。

 

栄養価の低下

私たちは、現在豊富な食生活に囲まれていると思っています。
しかしながら、その豊富と思われている食生活の中に大きな問題点が潜んでいます。
加工食品、外食の増大に加え、化学肥料の過剰使用で土壌の疲弊による野菜の栄養価が低下しているのです。
特にビタミンやミネラルの栄養価の不足は、生活習慣病への影響が心配されます。

 

体に欠かせない栄養成分

成分イメージ私たちの体には生きていく上で様々な栄養素が必要です。
これらは、それぞれが役割を持っており、健康な体を作るために体内で働きます。
また栄養素はそれぞれ相互的に関わっているため、どれ一つとしておろそかにすることは出来ません。
私たちが常に健康であるために欠かすことの出来ない栄養素。
その栄養成分をアメリカでは大きく分けて三つに分類します。
一つはマクロニュートリエンツ、もう一つはミクロニュートリエンツ、そして三つ目はファイトケミカルです。
これらの栄養成分を知って、それを健康管理に役立てたいものです。

 

マクロニュートリエンツ MACRO NUTRIENTS

マクロニュートリエンツは、たん白質・炭水化物・脂質を指します。
この三つの栄養素は数ある栄養素の中で最も大切なもので、日本では三大栄養素といわれています。
これらをマクロニュートリエンツと称するのは、他の栄養素に比べ体をつくるために量的に多く必要とされることから来ています。

 

ミクロニュートリエンツ MICRO NUTRIENTS

ミクロニュートリエンツとは、ビタミンとミネラルとのことです。
この2つの栄養素は、マクロニュートリエンツに比較すると必要量がすくないことからこう呼ばれています。
日本では、三大栄養素にビタミンやミネラルを加えて五大栄養素と呼ばれています。
それほど私たちの体には大切な栄養素というわけです。
ビタミンやミネラルが不足すると、三大栄養素が十分に働くことが出来ません。
健康な体を維持するためには、ミクロニュートリエンツを意識してとるように心がけるのが大切です。
※ある種の腸内細菌は、ビタミンB1やビタミンK、ビオチンなどを産生することが分かっています。

 

ファイトケミカルス PHYTO CHEMICALS

ファイトケミカルスは、私たちの体の中にほんのわずかだけ含まれる微量成分と食物繊維のように多く必要とする成分があります。
現在発見されているファイトケミカルスは数千種類にも及びます。
このファイトケミカルスが五大栄養素と同様に私たちの健康に密接に関わっていることが解明されつつあります。
私たちの体の機能を正常に保つのがファイトケミカルスの役割。
まだ解明されていない部分も多くこれからの研究成果から目が離せない期待の栄養成分です。

 

腸内細菌と栄養素

食事で必要な栄養素を摂取したとしても、それを受け入れる体が準備されていなければ、多くが無駄になってしまうことも考えられます。
栄養を消化吸収する際には腸内細菌が大きな役割を果たしていると考えられています。
タンパク質や糖質を分解したり、人間には消化できない繊維質を分解して消化を助けています。
また、腸内細菌の生成する際は、腸内phを酸性に下げます。
その刺激により、腸の蠕動運動が活発になり消化活動が促進されます。
腸内細菌叢の改善を行うことによって、食事から摂取する栄養素を効率よく吸収することが出来るようになります。
また、ある種の腸内細菌はステロイドホルモンやビタミンK、ビオチン(ビタミンH)、葉酸などを産生し私たちの体調調節に影響を与えていることがわかってきています。